山田知生氏の講演から、もうひとつ。
前回の中の「伝える事」の内容をもう少し掘り下げてお伝えします。
叱って叩いて育てるのではなく、褒めて育てることが大切ですが、何を褒めるかもとても大切です。
とありました。
では、何を褒めるのか。つまり何を評価すべきか、というお話。
BICS/CALP
BICSとCALPは第二言語(日本で言えば英語)の習得論に関する用語です。
BICS(Basic Interpersonal Communicative Skills)
伝達言語能力:生活場面で必要とされる言語能力
CALP(Cognitive Academic Language Proficiency)
認知学力的言語能力:仮説を立て、推論・評価・一般化する…などといった「認知力」を必要とする能力。
BICSは身振り手振りや相手の視線などを利用して、意味を読み取ることができるレベルの言語能力で、「日常的な話し言葉」。一方、CALPは言葉だけで内容を伝える言語能力で、「学問やビジネスなどで使う言葉」といえる。
BICSのような記憶・暗記で測ることができる能力ではなく、CALPのような様々な考察のプロセスを踏みその結果を評価するといった能力こそが、これからの変化の時代に求められる能力である。
グロースマインドセット
ここで、キャロル・ドゥエック教授のマインドセット「やればできる! 」の研究という書籍を紹介されました。
大切なのは、「やればできる」と思えること(グロースマインドセット)。そして興味・目的・希望を持って課題・困難に取り組めること。
そのためには、叱って育てるのではなく「褒める」ことが大切。
評価すべきは(結果につながる)プロセス
褒めることが大切とはいえ、何を褒めるか・評価するかも重要である。
スポーツの勝敗やテストの点数などの結果を評価しても、結果が出ない時の助けにはならない。持って生まれた才能を評価しても、成長にはつながりません。日本では努力や頑張りを高く評価する傾向がありますが、結果の出ない努力も評価に値しません。
どう問題に向き合い解決策を導き出して結果・成長に結びつけたか、それこそが評価すべきなのです。
計画や戦略を立て、忍耐強く集中力を持って、継続的に取り組むといったプロセスこそが評価されるべきです。
おわりに
親は子供のテストの点数やスポーツの勝敗を見て、褒めたりもっと頑張れと言ってしまいがちだなと反省。普段の取り組みをしっかり見ていないとプロセスを褒めることも難しいなと、またまた反省。