長い休みが明けて、退職代行サービスに依頼が殺到しているそうだ。
社員「あの、来月いっぱいで会社を辞めたいのですが」
社長「どうした?不満があるなら言ってみたまえ。改善できるところは改善するぞ」
社員「いえ、昔からの夢にチャレンジするならもう今しかないと思いまして」
社長「そうか。なら応援するよ。でも繁忙期だからせめてあと2ヶ月は続けて欲しいんだが」
社員「わかりました。でも色々準備もあるので残業は出来なくても良いですか?それから最後の2週間は溜まっている有給を消化させてください」
社長「わかった。じゃぁ残り2ヶ月よろしく頼むよ。」
みたいなハナシが苦痛なのかな。
そもそもこういう話し合いが通じない会社が増えているのかもしれない。いわゆるブラック企業ってやつだ。そもそもブラックの線引きが人それぞれではあるが、「さすがにそれはないだろ」って企業の話も聞くし、「それくらいは我慢したら?」って程度のことを騒ぎ立てる人の話も聞く。
高度成長期には当たり前だった企業風土も今となってはブラックだ。休みの日に無償で上司の引越しを手伝うとか、今ではあり得ないが昔は普通だったらしい。
言いたいことが言えない社員。
聞く耳を持たない上司(または経営者)。
何れにせよ、埋めがたい断絶があるのだろう。そうなると第三者がビジネスライクに退職の話を済ますのも良い面もあるのかもしれない。だが、どうやら「辞めます」と言うのを代行するだけのようだ。
それくらいのことを自分で言えない社会が到来しているのだろうか。
近い将来、プロポーズ代行サービス、とか色々な代行サービスが生まれるのかも。
と、ここまで書いて、そう言えばレンタル彼女とかレンタル家族とかもあったなぁと気づく。
人生まるごとレンタルと代行で済ます時代の足音が聞こえるようだ。