我が子たちが通った保育園のちょっとした催しがあった。現在その保育園に通う小さい子から二十歳を過ぎた卒園生、そしてその親たち。幅広い年齢層の集まりだった。
一番上の子が卒園してから15年くらい経つだろうか。5年振り、10年振りという面々との再会もあった。
顔を合わすなり
「全然変わらないねぇ!」
と、何人かに言われた。
「ん?オレもまだまだ若いのか?」
と、まんざらでもない。
ところが、その後に会う人もまた「変わらないねぇ」と。
会う人会う人に第一声で「変わらないね」と言われる。逆に結構老けちゃったのかなと勘ぐってしまう。
そうじゃない。
久しぶりに会った人の「変わらないねぇ」は単なる挨拶なのだ。
「こんにちは」とか「今日は暑いね」と同じだ。それを間に受け、いい気持ちになっているだけのことだ。
歓談中、スクリーンに流れる懐かしい映像の中に15年前の自分の姿が!
全然違う。「変わらないねぇ」どころか変わり果ててる。
そりゃそうだ。
15年も経ってるのだ。腹も出れば髪も減る、何と言っても肌艶が違う
いつまでも若いつもりでいたが、確実に歳はとっている。
そりゃ、いつまでも若くありたい。その願望が「まだまだ若いなオレも」と勘違いさせる。
20代のオレはまだまだヒヨッコだが、10代のオレから見た20代のオレは十分オトナだろう。
20代のオレから見た30代のオレはもうオッサンだし、そろそろ落ち着いてきているだろう。本人にしてみれば少しも落ち着いていなかったが。
30代のオレから見た40代のオレは、くたびれた中年だろう。今から考えればまだまだ元気だったが。
40代のオレから見れば、50代のオレはもはや初老だろう。まだ認めたくはないが。
いつになったら、歳相応の自分を受け入れられるのだろう。
カラダも昔ほどは動かないし、反射神経も衰えて、最近物忘れが多いと思うけど、まだまだ昔のようにクルマの運転はできるぜ。
そう思いながら運転する80歳にはなりたくないと思う。
そろそろ運転はしない方がいいなと、自分の衰えを受け入れることが出来るだろうか。
手遅れにならないうちに。